Pythonと機械学習ライブラリ「scikit-learn」を用いて、重回帰分析を行う方法について解説します。
【重回帰分析とは】Scikit-learnで実装
重回帰分析とは、以下のような線形回帰モデルを用いて予測する手法です。
(1)
変数 | 説明 |
---|---|
目的変数(予測したい値) | |
説明変数(予測に利用するデータ) | |
回帰係数(相関係数) |
例えば、「景気動向指数」「若者の平均年収」から「ガチャの売上」を予測しようと考えたとき、「目的変数=ガチャの売上」「説明変数=景気動向指数、若者の平均年収」となります。
書式
機械学習ライブラリ「scikit-learn」では、sklearn.linear_model.LinearRegressionクラスで重回帰分析を行うことが出来ます。
その使い方は以下の通りです。
sklearn.linear_model.LinearRegression(fit_intercept=True, normalize=False, copy_X=True, n_jobs=1)
引数 | 内容 |
---|---|
fit_interceptz | Trueで切片を求めます。目的変数が原点を必ず通るデータを用いる場合はFalseにします。 |
normalize | Trueで説明変数を事前に正規化します。 |
copy_X | Trueでメモリ内でデータを複製してから実行します。 |
n_jobs | CPUで計算する際のジョブの数です。(-1ですべてのジョブを使用) |
その他メソッド
「sklearn.linear_model.LinearRegression」クラスの各メソッドの使い方は次の通りです。
メソッド | 内容 |
---|---|
fit(x, y[, sample_weight]) | 説明変数x、目的変数yとして線形回帰モデルを求めます。 |
get_params([deep]) | 推定に用いたパラメータを取得します。 |
predict(x) | 生成した線形回帰モデルとデータxを用いて予測します。 |
score(X, y[, sample_weight]) | 決定係数を求めます。 |
set_params(**params) | パラメータを設定します。 |
coef_ | 偏回帰係数を取得します。 |
intercept_ | 切片の値を取得します。 |
参考文献 | 公式ドキュメント(英語) |
【サンプルコード】CSVファイルを読み込んで重回帰分析
CSVファイルを読み込んで、そのデータから重回帰分析を行い、結果(モデル)をファイルに出力(エクスポート)します。
読み込むデータ
data.csv
今回はdata.csvのを説明変数、を目的変数として重回帰分析を行いました。
その結果、は以下の式で推測できるようになります。
【学習済みファイル】
・<a href=https://github.com/nishizumi-lab/sample/blob/master/python/scikit/regression_analysis/multiple.learn”>multiple.learn
【サンプルコード】学習済みファイルの読み込み
最後にjoblib.loadでCSVファイルを読み込んで、そのデータから重回帰分析を行い、生成して出力した回帰モデルを復元(インポート)しました。
# -- coding: utf-8 -- import pandas as pd import numpy as np from sklearn import linear_model from sklearn.externals import joblib clf = joblib.load('C:\prog\python\scikit\multiple.learn')回帰係数と切片の抽出
a = clf.coef_ b = clf.intercept_回帰係数
print("回帰係数:", a) print("切片:", b) """ 回帰係数: [ 0.70068905 -0.64667957] 切片: 12.1846948155 """
【その他】t値などを計算する場合は
Scikit-learnにはt値を計算する機能がないようなので、t値を計算したい場合はPythonモジュール「statsmodels」を用いましょう。
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