【Python/OpenCV】一次微分フィルタで輪郭検出

Python+OpenCVで一次微分フィルタを「NumPy」「cv2.filter2D」で実装し、輪郭検出する方法をソースコード付きで解説します。

一次微分フィルタで輪郭検出

一次微分フィルタは、画像処理において輪郭検出に使用されるフィルタです。画像データの各画素の輝度値の変化量(勾配=一次微分)を計算し、変化量が大きい箇所を輪郭として検出します。

原理と計算式については下記事で紹介しています。

【画像処理】一次微分フィルタの原理・特徴・計算式
画像処理における1次微分フィルタの原理や特徴、計算式についてまとめました。

今回は、処理を以下の2通りの方法で実装してみました。

方法①cv2.filter2Dで簡単に実装
方法②NumPyでアルゴリズムを書いて実装(原理の理解を深めるため)

サンプルコード①OpenCVで実装

サンプルプログラムのソースコードです。


実行結果

コード解説

kernel_xは水平方向の輪郭(輝度変化)を検出するためのカーネルです。

   kernel_x = np.array([[0, -1, 0],
                        [0, 0, 0],
                        [0, 1, 0]])

kernel_yは垂直方向の輪郭(輝度変化)を検出するためのカーネルです。

   kernel_y = np.array([[0, 0, 0],
                       [-1, 0, 1],
                       [0, 0, 0]])

cv.filter2Dを使用して、入力画像grayに対して一次微分フィルタを適用します。gray_xは水平方向の輪郭を検出した画像です。gray_yは垂直方向の輪郭を強調した画像です。

   gray_x = cv.filter2D(gray, cv.CV_64F, kernel_x)
   gray_y = cv.filter2D(gray, cv.CV_64F, kernel_y)

水平方向と垂直方向の輪郭画像を合成して、最終的な輪郭画像dstを求めます。輪郭画像の各画素値は、水平方向と垂直方向の勾配の二乗和の平方根から求めます。

   dst = np.sqrt(gray_x ** 2 + gray_y ** 2)

サンプルコード②NumPyで実装


実行結果

コード解説①filter2d関数

filter2d関数は、入力画像srcに対してカーネルkernelを使用して空間フィルタリングを行います。詳細は以下ページで解説しています。

【Python/OpenCV】空間フィルタリング・畳み込み演算(cv2.filter2d)
PythonとOpenCVを用いて空間フィルタリング処理する方法をソースコード付きで解説します。

正の勾配のみ検出している点に注意

■入力画像(左)と出力画像(右)

サンプルコード①②の出力画像は正の勾配(黒→白)のみ白色になっています。
負の勾配(白→黒)も白色に塗って出力する方法は下記ページで紹介しています。

【Python/OpenCV】微分フィルタの注意点(負の値の処理)
Python版OpenCVの微分フィルタ(Sobelなど)を利用する時の注意点についてソースコード付きで解説します。

関連ページ

【Python版OpenCV超入門】使い方とサンプルコードを解説
Python版OpenCVで画像処理プログラミングを行う方法を入門者向けにソースコード付きで解説するページです。

コメント

  1. ジュン より:

    はじめまして。
    いつもこちらのサイトを見て勉強させていただいています。
    以下のようなコードで実行したのですが、エラーがでてうまくいきません。
    apple.pngというのはネットから拾ってきた画像です。このサイトのサンプル画像で実行するとうまく実行できるのですが、他の画像だと実行できません。どうすればうまくいくのでしょうか?よろしくお願いします。

    # -*- coding: utf-8 -*-
    import cv2

    def main():
    # 入力画像の読み込み
    img = cv2.imread(“C:\Users\jun\Pictures\opencvtest\apple.png”)

    gray = cv2.cvtColor(img, cv2.COLOR_RGB2GRAY)

    cv2.imwrite(“C:\Users\jun\Pictures\opencvtest\otsu.jpg”, gray)

    if __name__ == “__main__”:
    main()
    ———————
    error: C:\build\master_winpack-bindings-win64-vc14-static\opencv\modules\imgproc\src\color.cpp:10638: error: (-215) scn == 3 || scn == 4 in function cv::cvtColor

    • prog より:

      ※ ジュン様
      はじめまして。

      そちらのエラーはファイルパスに誤りがある際のエラーです。

      >C:\Users\jun\Pictures\opencvtest\apple.png

      の「\a」の部分がエスケープシーケンスとして解釈されているのが原因です。
      そのため、

      >C:\Users\jun\Pictures\opencvtest\\apple.png

      というように記述するか、エスケープシーケンスにならないよう
      画像ファイル名を変更すれば正常に動作するはずです。