Windows11上でPythonとVscodeを導入し、環境構築する方法について詳しく解説します。
- Pythonの環境構築
- VSCodeの環境構築
- 拡張機能「Python」の導入と使い方
- テーマとフォントの設定
- 便利なショートカット
- コマンドパレット
- 【補足】おすすめ拡張機能
- 【補足】拡張機能のセキュリティリスクと対策
- 【補足】拡張機能「IntelliCode」でコード補完
- 【補足】拡張機能「GitHub Copilot」でコード提案
- 【補足】拡張機能「Black Formatter」で自動整形
- 【補足】拡張機能「autoDocstring」でドキュメント生成
- 【補足】拡張機能「Jupyter」でノートブックを利用
- 【補足】拡張機能「Rainbow CSV」でノートブックを利用
- 【補足】複数のOSやPC上で設定を同期(SettingSync)
- 【補足】拡張機能「Remote Development」でサーバーの遠隔操作
- 【補足】拡張機能「Draw.io Integration」で作図
- 関連ページ
Pythonの環境構築
Pythonを導入する方法はいくつかありますが、今回の公式インストーラーを使う方法がおすすめです。常に最新バージョンを導入可能で、動作が安定していることが特徴です。例えば、Microsoft Storeからインストールすると、一部正常に動作しない外部ライブラリなどがあります。公式インストーラーによりPythonを導入する方法については以下ページで解説します。

VSCodeの環境構築
Pythonを使い慣れてきたら、無料エディタ「VSCode(Visual Studio Code)」を使ってPythonの開発を行うのがおすすめです。VScodeは世界中で人気なエディタで、Pythonのコードを書いたり、プログラムを実行するときに便利な拡張機能(プラグイン)が豊富にあります。VSCodeの導入方法については以下ページで解説します。

拡張機能「Python」の導入と使い方
VSCode(Visual Studio Code)には、エディタの機能を拡張したり追加したりできる「拡張機能」というものがあります。VSCode上でPythonのプログラムを扱う場合、拡張機能「Python」をインストールするのが一般的です。この拡張機能には、Pythonプログラムのコード補完(自動入力補助)、デバッグ機能、コードフォーマット、統合ターミナルでの実行などがあります。
拡張機能のインストール
「Python」拡張機能をインストールする方法は以下のとおりです。
① VSCodeを開きます。
② 左のアクティビティバーにある「拡張機能」アイコン(四角いアイコン)をクリックします。
③ 検索バーに Python と入力します。
④ 「Python」拡張機能(Microsoft提供)を見つけ、「インストール」をクリックします。
プログラムの作成と実行
① VSCodeの左サイドメニューにある「エクスプローラー」アイコンをクリックし、「フォルダを開く」ボタンをクリックします。
② プログラムファイルを格納するフォルダを選択し、「フォルダの選択」をクリックします。
③ 「このフォルダー内のファイル作成者を信頼しますか?」というポップアップが表示されます。チェックボックスにチェックを入れ、「は、作成者を信頼します」ボタンをクリックします。
④ 「作業の開始」タブを閉じ、エクスプローラーの「新しいファイル」アイコンをクリックします。
⑤ 新しいファイル名の入力欄があるので、ファイル名を入力し、Enterを押してプログラムファイルを作成します、
(※ファイル名の例:test.py)
⑥ コード編集画面にプログラムを記述し、ショートカット(Ctrl + S)でファイルに保存します。
【コードの例】
x = 10
y = 2
z = x + y
print("x+y=")
print(z)
print("以上")
⑦ 右上の「▶(実行)」ボタンをクリックします。
⑧ ターミナルに結果が表示されたら成功です。
インタープリターの変更
「インタープリター」とはPythonコードを実行するプログラムのことです。拡張機能「Python」の導入後、VSCodeでPythonファイルを開いたら、Pythonインタープリターを選択し、プログラムの実行を行うことができるようになります。具体的な手順は以下のとおりです。
① VSCodeの左下にある「Python 3.x.x xxxxxxxエクスプローラー」をクリックします。
② 使用するPython環境を選択します。
① ショートカット(**`Ctrl + Shift + P`**)を押して**コマンドパレット**を開きます。
② `Python: Select Interpreter` を検索して選択します。
③ 使用するPython環境を選択します。
③ 使用するPython環境を選択します。
Pythonのバージョンが違うと、インタープリターも異なります。複数のバージョンのPythonをインストールした場合、実行したいバージョンのインタープリターを選択する必要があります。
デバッグとステップ実行
① .py
ファイルを開き、左のアクティビティバーにある「デバッグ」アイコン(虫のアイコン)をクリックします。
② Run and Debug
を選択すると、ステップ実行が可能です。
部分実行
部分実行とは、例えば10行あるコードのうち、5-6行目に記述されているコードのみ実行することです。
実行したいコードを範囲選択して、Shift + Enterで部分実行できます。
終了後は右下にあるゴミ箱アイコンをクリックします。
テーマとフォントの設定
VSCode(Visual Studio Code)のテーマやフォントの設定手順は以下のとおりです。
テーマの設定方法
① ショートカットCtrl + Shift + P
でコマンドパレットを開きます。
※Macは「Cmd + Shift + P
」
②「Color Theme」と入力し、「Preferences: Color Theme」を選択します。
③ 一覧から好みのテーマを選ぶと、即座に反映されます。
拡張機能(Extensions)から「theme」で検索し、インストールできます。
例:One Dark Pro、Dracula Official、Tokyo Nightなど。
フォントの設定方法(種類とサイズ)
① ショートカットCtrl +
で設定画面を開きます。
※Macは「Cmd +
」
② 検索バーに「font」と入力し、以下の項目を設定します。
Editor: Font Family
:使用するフォント名(例:'Fira Code', 'Source Han Code JP', monospace
)Editor: Font Size
:フォントサイズ(例:14)Editor: Font Ligatures
:合字(ligature)を使うかどうか(例:true
)
③ 設定画面右上の {}
アイコンをクリックして settings.json
を開き、以下のように記述して変更する方法もあります。
"editor.fontFamily": "'Fira Code', 'Source Han Code JP', monospace",
"editor.fontSize": 14,
"editor.fontLigatures": true
おすすめ日本語対応フォント
フォント名 | 特徴 |
---|---|
Source Han Code JP | Adobe製。日本語と英語のバランスが良い |
PlemolJP | IBM Plexベース。視認性が高く等幅 |
HackGen | Hack + 源ノ角ゴシック。開発向けに最適 |
Moralerspace | Monaspace + 日本語フォントの合成版 |

便利なショートカット
VSCode(Visual Studio Code)の便利なショートカットを簡単に紹介します。これらを覚えると、作業効率がぐっと上がります。使い始めから最初に慣れておくと便利です。
基本操作
操作内容 | Windows | Mac |
---|---|---|
コマンドパレットを開く | Ctrl + Shift + P |
Cmd + Shift + P |
ファイルを開く | Ctrl + P |
Cmd + P |
保存する | Ctrl + S |
Cmd + S |
設定を開く | Ctrl + , |
Cmd + , |
ターミナルを開く | Ctrl + `` |
Ctrl + `` |
編集系
操作内容 | Windows | Mac |
---|---|---|
行をコピー | Shift + Alt + ↓ / ↑ |
Shift + Option + ↓ / ↑ |
行を移動 | Alt + ↓ / ↑ |
Option + ↓ / ↑ |
行を削除 | Ctrl + Shift + K |
Cmd + Shift + K |
コメントアウト | Ctrl + / |
Cmd + / |
コード整形 | Shift + Alt + F |
Shift + Option + F |
検索・置換
操作内容 | Windows | Mac |
---|---|---|
検索 | Ctrl + F |
Cmd + F |
置換 | Ctrl + H |
Cmd + Option + F |
プロジェクト全体検索 | Ctrl + Shift + F |
Cmd + Shift + F |
プロジェクト全体置換 | Ctrl + Shift + H |
Cmd + Shift + H |
他にも便利なショートカットがありますが、それらについては以下ページで別途解説しています。

コマンドパレット
コマンドパレットは、VSCodeのあらゆる機能にアクセスできる検索ボックスです。「VSCodeの司令塔」とも言える存在で、コマンドパレットはショートカットで呼び出し、やりたい操作のキーワードを入力するだけで、目的のコマンドを実行できます。ここからほぼすべての操作を実行できるので、使いこなせば作業効率が上がります。
使い方の流れ
Ctrl + Shift + P
(またはF1
)を押します。
※Macは「Cmd + Shift + P
」- 上部に表示される入力欄に「format」と入力
Format Document
を選択して Enter → コード整形が実行される!
よく使うコマンド例
コマンド名(英語) | 機能概要 |
---|---|
> Format Document |
コード整形 |
> Git: Commit |
Git コミット操作 |
> Preferences: Open Settings |
設定画面を開く |
> View: Toggle Terminal |
ターミナルの表示/非表示 |
> Extensions: Install |
拡張機能の検索とインストール |

【補足】おすすめ拡張機能
Pythonでの開発がより便利になるおすすめ拡張機能を紹介します。
- IntelliCode
- MicrosoftのAI技術による高度なコード補完を行ってくれます。
- GitHub Copilot
- MicrosoftのAI技術による高度なコード提案を行ってくれます。例えば「CSVファイルを読み込んでフィルター処理をする関数」とコメントを書くと、AIがその内容に基づいたコードを生成してくれます。
- Black Formatter
- Pythonのスタイルガイド(PEP 8)に準拠した自動整形を行ってくれます。
- autoDocstring
- 関数やクラスのドキュメントを自動生成できます。
- Jupyter
- Jupyter NotebookをVS Code上で実行できます。データ分析や機械学習に便利。
- Remote Development
- サーバーをリモートで操作するのに必要な「Remote SSH」や「Remote Tunnels」等の拡張機能を一度にインストールできるパックです。
- Rainbow CSV
- CSV/TSV ファイルを「列単位で色分け」し、読みやすくします。
- Draw.io Integration
- 拡張機能「Draw.io Integration」を入れると、VSCodeV上でisioライクにVSCode上で簡単に作図(UML/ER図、ネットワーク図、電気回路図など)ができます。
- Python Test Explorer
- Pythonの単体テストを簡単に実行・管理できます。
ただし、利用する前に次節で解説するセキュリティリスクについて確認しましょう。
【補足】拡張機能のセキュリティリスクと対策
セキュリティリスク
VSCodeの拡張機能は非常に便利ですが、セキュリティ上のリスクがあります。
- 拡張機能に悪意あるコードが仕込まれているリスク
- 公式マーケットプレイスでも、悪意のあるコードを含む拡張機能が多数発見されています。
- 2024年には1,283件が報告され、2億回以上ダウンロードされていたという報告もあります(※1)。
- 拡張機能はファイル操作やネットワーク通信など、広範な権限を持つことが可能です。
- また、デフォルトで自動更新されるため、後から故意もしくは乗っ取りにより、悪意のあるコードが仕込まれるリスクがあります。
- 拡張機能はOSレベルで動作するため、悪意あるコードが実行されると、システムへの影響も大きくなります。
- 拡張機能に脆弱性や機能を悪用するリスク
- 拡張機能に存在する脆弱性や機能を不正な攻撃等に悪用されるリスクがあります。
- VSCode本体機能の悪用事例ですが、攻撃者がVSCodeの「開発トンネル機能(Microsoft Dev Tunnels)」のVSCode CLIを通じてマルウェアを自動的にダウンロード・実行させるケースが警視庁の資料で報告されています(※2)。
- ※1 Microsoft VSCode、悪意ある拡張機能を多数発見 | TECH+(テックプラス)
- ※2 VS Codeを悪用した手口及び痕跡・検知策 警視庁
セキュリティ対策
拡張機能のリスクを鑑みて、以下のようなセキュリティ対策の実施を検討しましょう。
- 信頼できる拡張機能のみを使用
- 開発元の実績やレビュー、GitHubリポジトリの確認を行いましょう。
- インストール数やレビューが多い、評価が高いものを選ぶと良いでしょう。
- 低評価レビューの内容に注目し、不審な動作やセキュリティ懸念が書かれていないか確認しましょう。
- 利用者が多く、最近も更新されている拡張機能は、開発が継続されている証拠です。長期間更新されていないものは脆弱性なども放置されているリスクがあるため、注意が必要です。「脆弱性対策情報データベース」などで過去に脆弱性の報告がないか、報告があれば対応済か、未済であれば自身の環境に悪影響が出る可能性があるかなど確認しましょう。人気の拡張機能「Python」でも過去に脆弱性の報告があります。→ JVNDB-2024-013116 – JVN iPedia – 脆弱性対策情報データベース
- 正規の拡張機能に似せた名前で、偽装されるケースもあります。開発元や拡張機能名もしっかり確認しましょう。
- 開発元がMicrosoft製などの大手企業であるか、「Verified Publisher」バッジが付いているか、GitHubリポジトリが公開されているか、開発者のWebサイトや連絡先が明記されているかなど、開発元の規模や透明性も参考に信頼を判断しましょう。
- 不要な拡張機能は削除
- 使用していない拡張機能を定期的にチェックしてアンインストールしましょう。
- 自動更新を無効化
settings.json
で"extensions.autoUpdate": false
に設定し、更新内容を確認してから手動で適用することもできます必要に応じて利用を検討しましょう。
- セキュリティツールの導入(上級者向け)
- 拡張機能の挙動を監視するツール(例:ファイルアクセス監視、ネットワーク監視)を活用しましょう。
- 仮想環境やコンテナ上での開発(上級者向け)
- 仮想環境やコンテナ上など、VSCodeをOSから隔離して使用することで、万が一の被害を最小限にすることができます。

【補足】拡張機能「IntelliCode」でコード補完
拡張機能「IntelliCode」は、よく使われるコードパターンを学習したAIが、より的確な補完候補を表示してくれます。Python、JavaScript、TypeScript、Java、C# など主要な言語に対応しています。
① VSCodeの拡張機能から「IntelliCode」を検索してインストールします。
② コードを書くと、通常の補完候補よりも上に⭐付きでおすすめが表示されます。これがIntelliCodeの提案です。
③ 自分のプロジェクトに合わせた提案を得たい場合は、IntelliCodeのコマンドパレット(Ctrl + Shift + P
)から IntelliCode: Train on my code
を実行します。
「IntelliCode」の詳しい使い方は以下ページで別途解説しています。

【補足】拡張機能「GitHub Copilot」でコード提案
拡張機能「GitHub Copilot」は、リアルタイムでコードを書くのを助けてくれるAIツールです。Python、JavaScript、TypeScript、Ruby、Go、C++、HTML、CSSなどなど、幅広い言語に対応しています。Visual Studio Codeの他にNeovimやJetBrainsなど複数のエディターに対応しています。例えば、関数の処理を途中まで書くと、続きのコードを提案してくれます。また、「CSVファイルを読み込んでフィルター処理をする関数」とコメントを書くと、AIがその内容に基づいたコードを生成してくれます。IntelliCodeが「既存のコードスタイルに即した補完」が得意なのに対して、Copilotは「自然言語から創造的なコード提案」を行うのが得意です。うまく使い分けると良いでしょう。
① GitHub Copilotの公式サイトにアクセスし、GitHubアカウントでログインします。
② VSCodeの拡張機能から拡張機能「GitHub Copilot」を検索してインストールします。
③ ログインして使用を開始します。コメントや関数名を書くだけで、AIが先回りして提案を出してくれます。

【補足】拡張機能「Black Formatter」で自動整形
Pythonのコーディング規約(PEP 8)に準拠した自動整形を行ってくれます。コーディング規約とは、プロジェクトやチーム全体で「コードを書くときのルールや推奨事項」をまとめたドキュメントです。PEP 8はPython公式のコーディング規約です。以下は、Black Formatterで整形したときの実行例です。
【整形前】
def foo(bar, baz= None):
x= [1,2,3,
4,5 ]
if(bar and baz):
return{x:bar+baz}
return x
【整形後】
def foo(bar, baz=None):
x = [1, 2, 3, 4, 5]
if bar and baz:
return {x: bar + baz}
return x
引数のスペース、リスト要素のカンマ区切り&改行、インデント幅や波括弧周りの一貫性などが「Black Formatter」によって自動的に修正されています。「Black Formatter」の導入と設定方法は以下のとおりです。
① VSCodeの左サイドバー拡張機能から拡張機能「GitHub Copilot」を検索してインストールします。
② ショートカット「Ctrl + Shift + P」でコマンドパレットを表示し、以下を入力してEnterを押しましす。
Preferences: Open User Settings (JSON)
③ 以下をsettings.jsonに追加します。
{ "[python]": { // BlackをPythonのデフォルトフォーマッターに指定 "editor.defaultFormatter": "ms-python.black-formatter", // 保存時にBlackを適用 "editor.formatOnSave": true }, // 1行の文字数の上限を120文字に設定 "black-formatter.args": ["--line-length=120"] }
④ これにより、Pythonファイルを保存するたびにPEP-8に準拠した自動整形が適用されます。

【補足】拡張機能「autoDocstring」でドキュメント生成
拡張機能「autoDocstring」は、以下例のようなPythonの関数/メソッドやクラスのドキュメントを自動生成します。引数や戻り値を自動で解析してくれます。
def greet(name: str, age: int = 0) -> str: """ Summary line. Parameters ---------- name : str Description of name. age : int, optional Description of age (default is 0). Returns ------- str Description of return value. """ return f"Hello, {name}!"
「autoDocstring」の導入と使い方は以下のとおりです。
① VSCodeの左サイドバー拡張機能から拡張機能「autoDocstring」を検索してインストールします。
② Python ファイルを開き、docstring を生成したい 関数 や クラス の中にカーソルを置きます。
③ ショートカット「Alt+Shift+2」で関数/メソッドの引数や戻り値を自動で解析し、雛形が挿入されます。
※ショートカット「Ctrl + Shift + P」でコマンドパレットを表示し、「Auto Docstring: Generate Docstring」を入力してEnterを押すことでも自動挿入されます。
「autoDocstring」でドキュメントを自動生成後、「GitHub Copilot」 の提案する文を
Copilot が提案する文を Tabで取り込み、必要に応じて手動で微調整すれば快適にドキュメントを作成できます。「autoDocstring」を使わず「GitHub Copilot」だけで「”””」を打ってからCopilotの提案を受けると、ドキュメントを生成することもできますが、、引数リストの自動解析は行われません。
また、「autoDocstring」の複数スタイル混在(NumPy/Google)でドキュメントを生成し、「GitHub Copilot」 に「Google style docstring for function that…」とプロンプトして文を埋めてもらうと高精度に自動生成できます。
「autoDocstring」の詳しい使い方は以下ページで別途解説しています。

【補足】拡張機能「Jupyter」でノートブックを利用
VSCodeの拡張機能「Jupyter」は、VSCod上でJupyterノートブックを利用できるようにする機能です。
VSCodeのJupyter拡張を入れると、
.ipynb
をそのまま開いて実行.py
ファイルをセル単位でインタラクティブ実行- 変数やデータフレームを可視的にデバッグ
…といった機能が手に入ります。
データ分析や機械学習の実験、ちょっとしたスクリプト検証まで――VS Code上でJupyterノートブックを使いこなすと、エディタと対話型開発のよいとこ取りができます。本記事では、拡張機能 Jupyter を「インストール→実践→カスタマイズ→トラブルシュート」まで、まるっと解説します。
導入方法
① VSCodeの拡張機能から「Jupyter」を検索してインストールします。
② VS Codeを再起動します。
新規ノートブックの作成
③ ショートカット「Ctrl + Shift + P」でコマンドパレットを表示し、以下を入力してEnterを押しましす。
Jupyter: Create New Blank Notebook
④ 新規ファイル .ipynb
が開きます。画面左上で Python カーネルを選択します。
⑤ セルにコード/Markdownを入力し、「Shift+Enter」で実行します。
既存ノートブックを開く
① エクスプローラーで .ipynb
をダブルクリックします。
③ 編集画面がそのまま読み込ますので、セルにコード/Markdownを入力し、「Shift+Enter」で実行します。
「Jupyter」の詳しい使い方は以下ページで別途解説しています。

【補足】拡張機能「Rainbow CSV」でノートブックを利用
拡張機能「Rainbow CSV」は、CSV/TSV ファイルを「列単位で色分け」し、読みやすくします。
① VSCodeの拡張機能から「Rainbow CSV」を検索してインストールします。
② VS Codeを再起動します。
③ これでCSV/TSV ファイルを開くと、列単位で色分けされた状態となります。

【補足】複数のOSやPC上で設定を同期(SettingSync)
VSCode(Visual Studio Code)には公式に「Settings Sync」という機能があり、設定ファイルや拡張機能、キーバインド、テーマやレイアウトなどをクラウド経由で複数マシン間で共有できます。利用するには、Microsoft アカウント or GitHub アカウントが必要となります。使い方は以下のとおりです。
① VS Code 右下のアカウントアイコン (👤) をクリックします。
② 「Turn On Settings Sync…」を選択します。
③ サインイン方法を選択(「Microsoft アカウント」 or 「GitHub アカウント」) し、ログインします。
④ 同期対象をチェックします。
- Settings(設定) ・・・
settings.json
の中身 - Keybindings(キー割当) ・・・
keybindings.json
のカスタム設定 - Extensions(拡張機能) ・・・インストール済み拡張機能のリスト
- Snippets(スニペット) ・・・ユーザースニペット
- UI State(テーマやレイアウト) ・・・ テーマ、カラーテーマ、サイドバー配置などのレイアウト情報
⑤ 「Turn On」をクリックすると、Settings Syncが有効化され、クラウドに設定の保存が開始されます。
⑥ 以降、設定変更や拡張インストール等をするたびに、同じ「Microsoft アカウント」 or 「GitHub アカウント」でSettings Syncを有効化している端末間で自動で同期されます。
「Settings Sync」の詳しい使い方は以下ページで別途解説しています。

【補足】拡張機能「Remote Development」でサーバーの遠隔操作
拡張機能「Remote Development」は、サーバーをリモートで操作するのに必要な「Remote SSH」や「Remote Tunnels」等の拡張機能を一度にインストールできるパックです。今回は、VSCode上でラズベリーパイを遠隔操作する例を題材に説明します。なお、前提条件としてコマンドプロンプトやターミナルからSSH接続するための設定は完了しているものとします。

① VSCodeの拡張機能から「Rainbow CSV」を検索してインストールします。
② 「画面左下のアイコン」 → 「Open Configuration File」 → 「~/.ssh/config」をクリックします。
③ 接続情報を記述します。
Host [接続の際に用いる名前] HostName [接続するホスト名またはIPアドレス] Port [ポート番号] User [ユーザー名] IdentityFile [秘密鍵へのパス]
(例)ローカル上のラズベリーパイ4に接続する場合の例
Host Raspi4 HostName 192.168.1.3 Port 28987 User pi IdentityFile /Users/<ユーザー名>/.ssh/id_rsa
※ホストネーム(ローカルIPアドレス)、SSH接続用のポート番号、ユーザー名、鍵ファイルのパスは適宜変更してください
④ 「画面左下のアイコン」→「Connect to Host」→「接続したいHost」をクリックします。
⑤ 画面左下に接続先名が表示されたら接続成功です。「フォルダを開く」をクリックすると、リモート先のディレクトリが表示されます。接続された状態でターミナルを開けば自動的にリモートのカレントディレクトリが開いて、コマンドを実行できます。
⑥ 「画面左下の接続先名」→コマンドパレットから「リモート接続を終了する」をクリックすると、リモート接続が終了します。
詳しい使い方は以下ページで別途解説しています。

【補足】拡張機能「Draw.io Integration」で作図

関連ページ


コメント
ユーザー設定がないぞ・・・・・・
※匿名様
コメントありがとうございます。
VSCodeのバージョンアップにより「ユーザー設定」が「設定」に変わっていたようです。