Python版OpenCVとNumPyを用いて、画像データを高速フーリエ変換により(空間)周波数領域に変換する方法をソースコード付きで解説します。
FFTで(空間)周波数領域に変換
NumPyには、2次元配列の高速フーリエ変換をおこなうメソッド「numpy.fft.fft2(img)」があります。
今回はこれらを用いて、OpenCVで読み込んだ画像をFFT(高速フーリエ変換)し、空間周波数領域に変換しました。
書式①
fx = numpy.fft.fft2(x)
2次元配列xを2次元フーリエ変換します。
書式②
fx2 = numpy.fft.fftshift(fx)
2次元配列fxの第1象限と第3象限、第2象限と第4象限をそれぞれ入れ替えて、零周波数成分を中心に移動します。(fxが1次元配列の場合は左半分と右半分を入れ替えます)
これを使うことで、元々4隅が低周波成分だったのが、中心が低周波数となり解析がしやすくなります。
ソースコード(Python3+OpenCV3)
サンプルプログラムのソースコードです。
# -*- coding: utf-8 -*- import numpy as np import cv2 # 入力画像を読み込み img = cv2.imread("input2.png") # グレースケール変換 gray = cv2.cvtColor(img, cv2.COLOR_RGB2GRAY) # 高速フーリエ変換(2次元) fimg = np.fft.fft2(gray) # 周波数領域に変換した画像データを表示 rint(fimg) # 零周波数成分を配列の左上から中心に移動 fimg = np.fft.fftshift(fimg) # 零周波数成分を中心に移動した結果を表示 print(fimg)
実行結果
サンプルプログラムの実行結果です。
入力画像
4*4の簡単な画像を入力しました。
周波数領域
FFTの結果です。
[[ 988. +0.j -494.-494.j 0. +0.j -494.+494.j] [ 0. +0.j 0. +0.j 0. +0.j 0. +0.j] [-988. +0.j 494.+494.j 0. +0.j 494.-494.j] [ 0. +0.j 0. +0.j 0. +0.j 0. +0.j]]
零周波数成分を中心に移動
第1象限と第3象限、第2象限と第4象限をそれぞれ入れ替えて、零周波数成分を中心に移動した結果です。
[[ 0. +0.j 494.-494.j -988. +0.j 494.+494.j] [ 0. +0.j 0. +0.j 0. +0.j 0. +0.j] [ 0. +0.j -494.+494.j 988. +0.j -494.-494.j] [ 0. +0.j 0. +0.j 0. +0.j 0. +0.j]]
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